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【令和8年熊本地震】従業員・企業向け支援のまとめと、心のケア。

【令和8年熊本地震】従業員・企業向け支援のまとめと、心のケア。

お知らせ

令和8年熊本地震により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と、一日も早い復興を心からお祈りしております。
現在も復旧活動が続いている状況です。まずは安全確保等を最優先とし、落ち着いて行動できる状況になってから、以下の支援情報をご確認ください。

令和8年熊本地震の発生を受け、各省庁から従業員・企業向け支援策が公表されています。
今回の記事では、現在公表されている情報を基に、各支援策について整理しています。  
大きな災害が発生したときは、被災された方だけでなく、支援にあたる方や報道に接した方などにも、心の負担がかかります。このような状況下で知っておきたい心のケアについても触れていますのでご活用ください。
※記事に掲載している支援制度は、2026年8月5日時点の公表に基づく情報です。今後も支援策は更新される可能性がありますので、最新情報は各省庁のサイトでご確認ください。

雇用・労働に関する特例措置や支援制度

厚生労働省は2026年7月29日、「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」を公表しました。
主な支援の内容は以下のとおりです。

1 従業員向け支援
【災害時における雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の特例措置】

今回の地震の発生により、熊本県の一部地域では災害救助法が適用されました。
これに伴い、地震災害により勤務先が直接被害を受け、一時的に離職した場合に失業手当を支給する特例措置が実施されています。以下の要件に該当する場合に、特例措置の適用対象となります。

なお、熊本県内で災害救助法が適用されている市町村は以下のとおりです。

また、雇用保険の失業手当の受給手続きに際しては、ハローワークで、以下のような柔軟な対応を行っている場合もあります。

参考|厚生労働省『令和8年熊本地震に伴う雇用保険の基本手当の特例措置について』(資料を基に作成)

従業員の生活を守るためにも、今回の災害を受けやむを得ず休業する企業は、このような支援の利用を案内するとともにさまざまな手続きを行うことが考えられます。手続き方法などに迷うことがあれば、最寄りのハローワークにご相談いただくことをおすすめします(問い合わせ先はこのブロックの最後で紹介しています)。
なお、令和8年熊本地震による災害については、激甚災害に指定される見込みです。激甚災害に指定されると特例措置が追加される可能性がありますので、最新の情報は厚生労働省の以下のサイトよりご確認ください。
参考厚生労働省『雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)』

【未払賃金立替払制度の手続きの簡略化】

勤務先が地震により被害を受けたことにより、倒産状態(※1)となり、賃金が支払われないまま退職することとなった場合に、国が企業にかわって未払賃金額の一部(※2)を立替払する制度が利用できます。なお、国が立て替えた賃金は、後日、国から企業に求償されることとなります。
※1:法律上の倒産手続きを取っている場合は、大企業も対象
※2:未払賃金(退職手当も含む)のうち一定範囲(8割相当額)

立替払を受けられる方と、対象となる未払賃金は以下のとおりです。

(出典)厚生労働省『令和8年熊本地震による被災地域の中小企業に勤務されていた労働者の皆さまへ 未払賃金の立替払制度の手続きのご案内』(一部抜粋して掲載)

今回の地震による被災地域の方については、申請手続きの簡略化が行われています。
制度の詳細や、くわしい手続き方法については以下のパンフレットでも確認できます。また、制度について相談したいときは、このブロックの最後に紹介している問い合わせ先をご確認ください。
参考|厚生労働省『令和8年熊本地震による被災地域の中小企業に勤務されていた労働者の皆さまへ 未払賃金の立替払制度の手続のご案内』
参考|厚生労働省『令和8年熊本地震による被災地域の中小企業に勤務されていた労働者の皆さまへ 未払賃金の立替払制度の手続のご案内(パンフレット)』

2 企業向けの支援
【雇用調整助成金】

企業向けの支援として、雇用調整助成金をはじめとした雇用関係助成金を活用できる場合があります。
通常の雇用調整助成金は、災害の発生そのものを支給要件とする制度ではなく、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等を行った場合に対象となる制度です。そのため、地震の被害を受けた場合であっても、その影響が雇用調整助成金の要件である「経済上の理由」に該当しないなど、個別の事情によっては対象とならないことがあります。
なお、過去の災害時には、支給要件の緩和や助成率の引上げなどの特例措置が講じられた例がありますが、今回の地震に関する雇用調整助成金の特例措置については、現時点で正式な公表は確認されていません。
活用を検討する場合は、最新の公表情報を確認のうえ、最寄りの労働局やハローワークに相談することをおすすめします(問い合わせ先はこのブロックの最後で紹介しています)。
雇用調整助成金の詳細は、以下のガイドブックでも確認できます。
参考|厚生労働省『雇用調整助成金ガイドブック』

【中小企業退職金共済制度・財形制度】

中小企業退職金共済制度(以下、中退共)に関しても、特例措置が実施されます。具体的には、共済契約者(事業主)の申出により、一般の中退共の掛金の納付期限を最長1年間延長できます。延長できるのは2026年8月分から2027年7月分とされています。
掛金の納付期限延長の申出は、郵送やFAXで受け付けています。
また、後納による割増金については、上記の申出により納付を延長した月分の掛金を2027年8月から2028年7月までの期間に納付すれば、後納割増金が免除されます。
くわしくは、以下の通知文をご確認ください。
参考|厚生労働省『令和8年熊本地震による災害で被災された皆様へ 中小企業退職金共済制度の特例措置等のご案内』

【各種支援の紹介・相談先(熊本県)】

地震の影響による労働相談に対応するため、熊本労働局管内のハローワークなどに「特別労働相談窓口」が設置されています。ここまで紹介した各支援について相談したい場合は、以下のサイトに記載されている問い合わせ先をご確認ください。
参考|熊本労働局『令和8年熊本地震で被災された方へ(労働行政関係)~特別労働相談窓口を開設~』

なお、これらの支援情報は2026年8月5日時点で公表されている情報です。令和6年石川県能登半島地震・豪雨災害の際には、上記の支援のほかにも厚生年金保険料等や労働保険料等の納期限等の延長の措置などが取られています。情報は随時更新されますので、厚生労働省のサイトから最新情報をご確認ください。
参考|厚生労働省『雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)』

マイナ保険証等がなくても受診できる特例

協会けんぽでは、今回の地震を受けてマイナ保険証・資格確認書(以下、マイナ保険証等)がなくても医療機関を受診できると周知しています。具体的には、地震による被災に伴い、マイナ保険証等を紛失あるいは自宅に残したまま避難した場合でも、医療機関の窓口で以下の4項目を申し出ることにより受診ができます。
※協会けんぽ以外の健康保険組合に加入している企業は、加入する健康保険組合にご確認ください。

①氏名
②生年月日
③連絡先(電話番号)
④勤務先の事業所名

なお、この取扱いの適用を受けられる市町村は、「雇用・労働に関する特例措置や支援制度」のブロックで示した、災害救助法が適用される市町村です。該当する市町村で避難生活を送っている従業員や、マイナ保険証等を持ち出せなかった従業員がいる場合は、この取扱いを案内できるようにしておくと安心です。
参考|協会けんぽ『マイナ保険証等がなくても医療機関を受診できます』

国税の申告・納付等の期限延長

国税庁は、熊本県八代市、宇土市、宇城市および八代郡氷川町に納税地のある方について、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出およびその他の書類提出ならびに納付等の期限を延長する(地域指定)ことを公表しています。詳細は以下のとおりです。最新情報は国税庁のサイトからご確認ください。

(出典)国税庁『令和8年熊本地震に係る国税の申告・納付等の期限の延長について』(一部抜粋して掲載)

被災した中小企業・小規模事業者への金融支援

経済産業省は令和8年熊本地震に伴い、被災した中小企業・小規模事業者に対して支援措置を実施することを公表しています。
具体的な支援内容は以下のとおりです。

①特別相談窓口の設置
②災害復旧貸付等の実施
③セーフティネット保証4号の適用
④既往債務の返済条件緩和等の対応
⑤小規模企業共済災害時貸付の適用

くわしい支援内容は、経済産業省のサイトにてご確認ください。
参考|経済産業省『令和8年熊本地震に伴う災害に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置を行います』

心のケアのために知っておきたいこと

災害時は支援制度を活用するだけでなく、従業員の心身の健康にも配慮することが重要です。大規模な災害は、被災した方だけでなく、支援にあたる方や報道に接した方にも大きなストレスを与えます。災害発生直後にとどまらず、数日後から数か月後にかけて心身に変化が現れることもあるため、従業員の様子を継続的に見守ることが大切です。

1 災害後には心身の不調が現れることがある

災害を経験した後には、不眠や食欲不振、集中力の低下、強い不安、出来事を何度も思い出すなど、さまざまな心身の反応が現れることがあります。こうした反応は、災害という強いストレスを受けたときに起こり得る自然な反応です。
一方で、症状が長く続いたり、日常生活や仕事に支障が出たりする場合には、医師やカウンセラーなどの専門家へ相談することも重要です。企業としても、従業員が相談しやすい環境をととのえておくことをおすすめします。

2 「気付く・つなぐ」体制を意識する

厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、メンタルヘルス対策として「4つのケア」の考え方を示しており、セルフケアだけでなく、上長や管理監督者による気づき・相談対応(ラインケア)、そして産業保健スタッフ等との連携が重要としています。

災害時には、上長や管理監督者が「いつもと様子が違う」といった変化に気付き、無理に励ましたり一人で抱え込んだりするのではなく、必要に応じて産業保健スタッフ等や、社外の相談窓口へつなぐことが大切です。

3 平時から相談できる環境をととのえておく

災害時は、被災した従業員だけでなく、上長や管理監督者、労務担当者自身も大きな負担を抱えることがあります。そのため、社内の相談窓口や産業保健スタッフ等の連絡先を周知しておくほか、必要に応じて産業保健総合支援センターや「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」などの外部相談窓口も案内できるようにしておくと安心です。

おわりに

令和8年熊本地震の発生を受け、各省庁でさまざまな支援策が公表されています。自社で活用できる支援かどうかは、社会保険労務士などの専門家に相談をすることをおすすめします。
災害発生時には従業員だけでなく、管理監督者や労務担当者自身もストレスを受けている場合があります。「自分は大丈夫」と過信せず、無理を重ねないことが何より重要です。

ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

社会保険労務士法人えみふる

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